ビタミン は毎日飲んでもいいのでしょうか? 過剰症が心配な脂溶性のビタミンも、食事から摂取するのであれば多めにとるほうが望ましいでしょう。通常、食事から摂るビタミンは多めに摂ることでバランスがとれます。
ビタミンA は過剰摂取に注意
危ないかどうかは、ビタミンの種類によって違います。同じ脂溶性のビタミンでも、E はとりすぎても大丈夫だからです。しかし ビタミンA は、とりすぎると肝臓に蓄積され過剰症を起こします。
ここでは脂溶性ビタミンのとり方の注意点を説明します。脂溶性のビタミンの場合、所要量を少しでも超えるとすぐに過剰症が起こるわけではなく、所要量と過剰症を起こす量の間にはかなり開きがあります。体に異変がないからと摂りすぎを続けていると大変なことになります。
たとえば ビタミンA では、成人の所要量は 2000 単位とされていますが 10 万単位以上を長期間とり続けなければ過剰症にはなりません。
これは鳥のレバーを 200 ~ 400 g 毎日食べ続けることになるのでめったに起こりません。しかし薬では簡単にとれてしまうので、注意が必要です。ビタミン剤を飲むときは、注意が必要です。心配な人は食事からできるだけ摂るスタイルがおすすめです。水溶性の ビタミンC なら過剰に摂取してもおしっこに排泄されていしまうので心配ありません。
ビタミンD の過剰症は回復が困難になる
ビタミンAの過剰症の場合は、気がついて服用を中止すれば症状は消え、あとに障害が残ることはありません。しかし ビタミンD の過剰症は、食物が原因で起こることは通常はないものの、いったん起こると腎臓などの障害が回復せず、文字どおり取り返しのつかない事態が起こります。
ビタミンD の過剰は、高カルシウム血症が起こり、食欲不振、体重減少、多尿、不整脈などの症状があります。 より重症なものでは、血管や組織の石灰化が起こり、心血管や腎臓に障害が起こります。 腎結石の頻度が増す可能性があります。
初期症状としては、症状は全身倦怠感、口渇、多尿、嘔吐、便秘、脱水、腎障害、精神抑うつなどがあります。
ビタミン剤で摂る場合は、1日に飲む所要量を守りながら飲みます。
しかしこうした過剰症が心配な脂溶性のビタミンも、食品からとるのであるかぎり、少し多めにとるほうが望ましいといえます。またすでに述べたように、水溶性ビタミンの場合は、尿のなかに速やかに排泄されるので心配はありません。
ただし、特定の食品のとりすぎは過剰症のリスクがあるので注意します。
- サケ、マグロ、サバといった脂肪性の魚はビタミンD が多い。
- キノコ類もビタミンDが含まれています。最近では、紫外線に当ててビタミンDの含有量を増加させたキノコも売られています。
- 米国で流通している牛乳のほとんどが1クォート(=0.946ℓ)当たり400 IUのビタミンDで強化されています。ただし、チーズやアイスクリームなど牛乳から作られる食品は一般に強化されていません。
- 多くの朝食用シリアル、いくつかの銘柄のオレンジジュース、ヨーグルト、マーガリン、豆乳に添加されています。各製品ラベルで確認できます。