ビタミンB17 は存在するのでしょうか

ビタミンB17 ビタミンの知恵・知識
ビタミンB17

ビタミンB17は存在するのでしょうか ビタミンB群は B12 までしか存在ません。B17 は偽ビタミンの烙印を押された有害な物質。 B15 は薬としても失格です。

栄養価が全くない ビタミンB17

ビタミンB17といわれているのは、アンズの種に含まれているアミグダリンにヒントを得てつくられた物質のことです。アミグダリンは有害な物質ですが、少量なら去痰剤(痰を取り除く薬)としての効果があリます。

アミグダリンとは、ビワ、杏、ウメ、桃など、バラ科の植物の種子や未熟な果実に天然に含まれている物質です。アミグダリンを人間が食べると、体内で毒性の強いシアン化水素(青酸)に変わります。摂取量が多いと、頭痛、めまい、悪心、おう吐などの中毒症状を起こす危険があります。

アミグダリンはかつて一部で ビタミンB17 と呼ばれていましたが、実際は人間の代謝に必須の栄養素ではなく、欠乏症も報告されていません。そのため、現在はビタミンの定義には該当しないとされています。

ビタミンB17 は、アメリカで実際に発売されたことがあるため、耳にしたことがある人もいるでしょう。
アメリカでは「レトレイル」という商品名で発売されたことがあります。ところがこのレトレイルは栄養価がまったく認められないばかりか、常用した人にシアン(青酸)中毒が出るに至り、偽ビタミンの熔印を押され、販売は禁止されてしまいました。

そばがいい

アミグダリンのように有害ではありませんが、のんでも役に立たない「偽ビタミン」はほかにもあります。 ビタミンB15  がそうです。

これは日本でも心臓薬として、「パンガミン酸」という名で発売されたことがあります。中毒は出ませんでしたが、心臓には効き目がなく、薬としても失格でした。
しかしビタミンとしては失格でも有用な物質もあります。間接的な効果ですが、そばの成分のルチンがそうです。ルチン単独では役に立つ働きは見つかりませんが、ビタミンCの効果を増強する作用があります。ソバを食べると長生きするといわれるのは、どうやらその効果のようです。
また、そば に含まれるルチンは最近、毛細血管を強くする成分として人気もあります。食物繊維も豊富ですからおすすめです。血糖値を急上昇させない食品としての 低 GI 食としても優秀です。白米から玄米に切り替えたいけれどハードルが高いと思って躊躇している人は週に1~2回そばを食べる食習慣がおすすめです。

ビタミンB17

ビタミンB17