たまに耳にする ニコチン酸 パントテン酸 とは? 何でしょうか?ビタミンB群はあまりにも数が多すぎることから混乱を避けるため、性質や内容をあらわす固有名詞がつけられました。
ニコチン酸 と ニコチン は別物
どちらもB群の ビタミンです。ビタミンB群はあまりにも数が多すぎて、混乱を避けるため、B2 や B6 といった番号ではなく、性質や内容をあらわす固有名詞をつけようということになったのです。
パントテン酸の「パン」は全体という意味。その性質がやや酸性であり、すべての食品に含まれているビタミンであるところから、パントテン酸と命名されました。かつて、 ビタミンB5 とも呼ばれていたこともあります。
糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギー産生に不可欠な酵素を補助する役割をしています。
また、コレステロール、ホルモン、免疫抗体などの合成にも関係しています。これらのことから、皮ふや粘膜の健康維持を助ける働きもしています。
パントテン酸が特に多く含まれている食品はレバー、納豆、さけやいわしなどの魚介類、肉類、卵などです。
ニコチン酸は、その化学構造がタバコのニコチンにやや似ていて、酸であることが命名の由来です。
ところが ニコチン酸 は ニコチン と勘違いする人が多いため、ナイアシンと改名しました。日本ではニコチン酸のほうがまだ通りがいいようです。また、ニコチン酸とナイアシンはどちらもこのビタミンの仲間全体を指す名称ですが、ニコチン酸はそのなかのひとつの物質を指す場合もあります。
ナイアシンは、有機化合物であり、人間の必須栄養素である ビタミンB3 の一種です。植物や動物がアミノ酸のトリプトファンから製造することができます。
炭水化物や脂肪など体内の様々な物質の処理(代謝)と、細胞の正常な機能において必要不可欠です。
レバー、赤身肉、鶏肉、魚、豆類、全粒または栄養強化シリアル製品・パンなどには、ナイアシンが豊富に含まれています。トリプトファン(アミノ酸の一種)は体内でナイアシンに変換されるため、乳製品などのトリプトファンが豊富な食品で、ナイアシンの摂取不足を補うことができます。
ビオチン 葉酸 もビタミンの仲間
このほか固有名詞で呼ばれるビタミンには、ビオチン、葉酸などがあります。ビオチンは、肝臓や酵母に含まれていて、シロネズミに生の卵白を大量に与えたときに起こる皮膚炎を防ぐ物質としてとり出されました。これは ビタミンH と呼ばれていたこともありました。
ドイツ語で皮膚のことをハウトといい、頭文字が H だからです。葉酸は緑の葉に含まれているビタミンで、ホウレン草にたくさん含まれており、その欠乏症は貧血です。