ジョギングに必要なビタミンは ビタミンE と ビタミンB1 です。その理由は、次のとおりです。
ジョギングのような、ゆるやかに走る運動は有酸素運動と呼ばれます。運動のエネルギー源としてグリコーゲンのほかに体脂肪を使い、そのとき十分な酸素が必要になるからです。ジョギングのほか、早足で歩くウォーキング、水泳、サイクリングなどもやはり有酸素運動です。
これに対して 100 m を走る短距離走や重量挙などは、筋肉に必要な量の酸素が供給されないため、無酸素運動と呼ばれます。したがって本人はジョギングのつもりでも、目いつぱい息せき切って走っては、それはジョギンクではなくランニング。
運動生理学からみれば、それは有酸素運動とはいえず、無酸素運動に近くなってしまいます。
ここで注意しなくてはいけないのは、有酸素運動と無酸素運動との別れ道は、スピードの差ではないことです。両者の違いは、運動中に筋肉に酸素が十分に供給されるかどうかにかかっています。
たとえばトレーニングを積んだスポーツ選手が1分間に 150 m のスピードで走っても、決して彼らは息切れすることはありません。
彼らにとって、そのスピードの走り方はジョギングなのです。しかしトレーニングしていない人が、スポーツ選手と同じスピードで走ったとすると、たちまち息切れしてタダウンします。
この場合、その人にとってはランニングになります。心肺機能が衰えているため、スピードの速いランニンクでは、筋肉に必要な酸素を供給できず、有酸素運動にはならないのです。
ジョギングが体力づくりや健康づくりに役立つのは、それが有酸素運動だからです。ですからその人の心肺機能に合わせ、息切れしない程度のスピードで走るのが原則です。有酸素運動が体にいいのは、心肺機能を高めてスタミナづくりに効果があると同時に、体脂肪を分解し、エネルギーとして消費するためです。それによって、お腹の出っ張りが引っこみ、肥満が解消し、成人病の予防につながるというわけです。
ダイエットでは、食事制限とジョギングを併用すれば、その効果も倍増します。ただしジョギングなどの有酸素運動は、少なくとも20分以上は持続して運動しないと脂肪は消費されません。
さて、有酸素運動であるジョギングをする人は、ビタミンE を多めに補給しておくことが必要です。
有酸素運動によって体の脂肪を燃焼させるとき、ビタミンE の働きがものをいうからです。もちろん有酸素運動では、糖質もエネルギーとして利用されるので、糖質の代謝に関わるビタミンB1 も大切です。
ビタミンE は、摂取してから体のなかで効果を発揮するまでに 6 時間ほどかかります。
ですから早朝にジョギングする人は、朝起きてから ビタミンE をのんだのでは、ジョギング中にはEの効果はあらわれない結果になります。
ビタミンE は、その効果が比較的長続きするため、前夜にのんでも翌朝のジョギンク時に効果は失われません。