ビタミン ミネラル 違い はどこにあるのでしょうか?決定的に異なるのは、ビタミンは中毒の心配無用ですが、ミネラルの場合は中毒の心配があります。
ビタミンは有機化合物、ミネラルは無機化合物
ビタミンとミネラルとは、どちらも微量栄養素という点では同じですが、違う点が 2 つあります。
そのひとつは、ビタミンは有機化合物なので生物によってつくられ、燃やすと炭酸ガスや水になることです。
ミネラルは無機化合物で、土や石にも含まれています。もうひとつの相違点は、ビタミンは中毒を心配する必要はほとんどないが、ミネラルは簡単に中毒が起こるので気をつける必要があるということです。
ビタミンの場合、その景低必要量と中毒になる限界点との差が大きく開いているため、ビタミンA、D、Kを除けば、少々とりすぎても中毒の心配はまったくといっていいほどありません。
中毒の心配が不要なのはカルシウムのみ
ビタミンと異なりミネラルは、ちょっと多量にとっただけで中毒になるものがほとんどです。たとえばセレンというミネラルは、欠乏症を治す必要量の10倍の量で中毒症状があらわれます。
セレン過剰摂取のリスク セレンは毒性が強く、必要量と中毒量の差がとても小さいため、サプリメントなどの安易な摂取には注意が必要です。 セレンを慢性的に過剰摂取すると、爪の変形や脱毛、胃腸障害、下痢、疲労感、焦燥感、末梢神経障害、皮膚症状などがみられます
鉄も過剰にとると胃腸障害を起こします。カリウム、銅、亜鉛なども過剰にとると問題が生じます。
カリウムの過剰摂取では手指・唇がしびれる、だるい・胸が苦しい、口がこわばり、話がしにくい、識がなくなるなどの症状がでます。
亜鉛は、工場の作業者にみられる酸化亜鉛のフューム(煙霧状粉末)を吸入しておこる亜鉛熱(金属熱)に代表される中毒で、職業病の一種です。 フューム吸入後2~8時間で、インフルエンザ様の悪寒(おかん)とともに発熱し、咳(せき)、頭痛、疲労感、発汗などの症状を伴うが数時間で回復します。
ガン予防に効果があると評判のゲルマニウムも同様です。ゲルマニウムには欠乏症などないため必要量もなく、あるのは中毒量だけです。
効果がはっきり証明されていないものには手を出さないほうが賢明です。ただカルシウムだけは、余分にとっても吸収される量が厳重にコントロールされているので中毒の心配がありません。日本人は慢性的にカルシウム不足ですので積極的に摂るほうがいいでしょう。
ビタミン ミネラル 違い まとめ
ビタミンとミネラルはどちらも体にとって必要な栄養素ですが、性質や役割にいくつかの違いがあります。
ビタミン
- 定義: 体内でほとんど合成できない有機化合物で、少量で生理機能を調整する働きがあります。
- 種類: 13種類があり、水溶性と脂溶性に分かれます。
- 水溶性ビタミン: ビタミンB群、ビタミンC
- 脂溶性ビタミン: ビタミンA、D、E、K
- 主な働き: 体内の化学反応を助ける酵素の働きをサポートし、代謝や免疫機能の維持を補助します。
- 特徴: 熱や光、酸素に弱いものが多く、調理や保存時に失われやすい。
- 例:
- ビタミンA: 視力や皮膚の健康維持
- ビタミンC: 抗酸化作用、コラーゲン生成
- ビタミンD: 骨の健康維持(カルシウム吸収の促進)
ミネラル
- 定義: 土壌や水に含まれる無機物質で、体の構造形成や機能維持に必要な栄養素。
- 種類: 必須ミネラルは16種類。大きく2つに分類されます。
- 主要ミネラル(多量ミネラル): カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、リンなど
- 微量ミネラル(微量元素): 鉄、亜鉛、銅、セレン、ヨウ素など
- 主な働き: 骨や歯の形成、神経伝達、酵素の活性化、体液のバランス維持。
- 特徴: 熱や調理では基本的に失われにくい。
- 例:
- カルシウム: 骨や歯の健康維持
- 鉄: 血液中のヘモグロビン生成
- マグネシウム: 筋肉や神経の働きをサポート
主な違い ビタミン ミネラル 比較
特徴 | ビタミン | ミネラル |
---|---|---|
化学的性質 | 有機物(炭素を含む) | 無機物 |
必要量 | 微量(体内で一部蓄積される場合あり) | 微量から中量(主に食事から摂取) |
体内での役割 | 酵素の補助、代謝調整 | 体の構造形成や機能維持 |
熱や光への感受性 | 弱い(調理で壊れやすい) | 強い(調理でも失われにくい) |
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